親知らずの矯正で抜歯は必要?注意点や抜くときの基準
スタッフブログ 2024.07.08
歯科医院で矯正をするときに、親知らずを抜くべきかどうかで悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
親知らずが真っ直ぐに生えておらず抜歯をするケースもあれば、真っ直ぐに生えていても虫歯になってしまう人もいます。
矯正治療を受けるうえで、親知らずはどうするべきなのか詳しく解説していきたいと思います。
親知らずってなに?
そもそも、親知らずって何かわかっていない人もいるかもしれません。
親知らずは、前歯から数えて8番目にある歯です。
12歳前後に生える7番目の歯が生えたあとに生えてくることから、生えてくる時期もあり、親知らずと呼ばれるようになりました。
親知らずが生えるかどうかは個人差もあるため、1本しか生えない人もいれば4本すべて生える人もいます。
親知らずが生えていない人は、歯根が形成されておらず中に埋まったまま出てこないケースもあります。歯胚はあるものの、親知らずが作られていないケースもあり退化してしまっています。
歯胚がない人はそこまで心配しませんが、あるのにでてきていない場合は、経過観察をしつつ様子を見る必要も出てきます。
基本的に、親知らず=抜歯をイメージする人が多いかもしれません。ただ、親知らずの生え方に問題がなく虫歯にもなっていないときは、無理に抜歯をする必要はありません。
親知らずは矯正前に抜くべき?
親知らずがあると、矯正する前に抜くべきかどうか迷っている人もいるかもしれません。
親知らずはそもそも、矯正対象の歯ではないので、必ずしも抜かなくてはいけないわけではありません。
具体的にどのようなケースの時に抜歯をするのか、矯正前に考えられるケースについて、説明したいと思います。
・十分なスペースが確保できないケース
・顎関節症のリスクがあるケース
・歯並びに影響しているケース
・今後に影響が出る可能性があるケース
・親知らずがトラブルを起こしているケース
十分なスペースが確保できないケース
矯正前に親知らずを抜歯するケースとして、十分なスペースがとれないケースも考えられます。
現代人は顎が小さめな人が多く、歯が並びきれない人が増えています。スペースを確保しないと矯正ができないときは、大臼歯を後ろに移動させるために、抜歯をするケースもあります。
親知らずが生えていたスペース分をなくし、調整したうえで歯の矯正を行うことになります。
顎関節症のリスクがあるケース
親知らずの位置によっても変わりますが、上下の歯の位置によっては噛み合わせに影響してしまうこともあります。
顎関節症になると、日常生活のなかでも、不便さを感じることも…。顎関節症のリスクがあるときは、抜歯をして調整することも考えられます。
また、親知らずの生え方で何度もトラブルが起きてしまっているようなケースでは、抜歯も検討したほうがいいかもしれません。矯正を行う歯科医師と相談しつつ、できる限りのリスクを取り除くことが大切です。
歯並びに影響しているケース
矯正前に親知らずを抜歯するケースとして、歯並びに影響してしまう可能性がある場合です。親知らずは後から生えてくるため、それがきっかけとなり歯並びが悪くなってしまう人もいます。
親知らずが原因になっていると判断できる場合では、事前に抜歯をしてから整えるようになります。
もし、矯正で動かせたとしても、また元に戻ってしまう可能性が考えられるためです。また、横向きに生えている場合も、親知らずの抜歯が必要になることもあります。
歯並びに影響している場合は、抜歯になるケースが多くなると思います。
今後に影響が出る可能性があるケース
今は親知らずが矯正に影響することがなくとも、今後影響が出てくる場合は、抜歯を選択することもあります。
例えば、親知らずが生えておらず埋まっている状態であっても、生えている向きに問題があれば抜歯することがあります。
事前にレントゲンを撮った上で、親知らずの生え方を確認してから抜歯するかどうかを決めていきます。矯正が終わったあとに、後戻りのリスクも出てきてしまうので今後の影響を考えると抜歯の選択肢になることも、十分に考えられます。
親知らずがトラブルを起こしているケース
すでに、親知らずがトラブルを起こしているときは、抜歯の選択肢が出てくることもあります。
1番奥にあり歯ブラシが届きにくいのもあり、虫歯ができやすい場所としても知られています。食べかすがそのままになっていて、歯周病にかかっている可能性も考えられます。
抜歯するかどうかは、進行度合いによっても変わってきます。親知らずがすでにトラブルを起こしているときは、抜歯を選択するケースもあると覚えておきましょう。
矯正に伴う親知らずの抜歯で覚えておきたい注意点とは
矯正のために、親知らずを抜歯する場合、どのような注意点があるのか見ていきましょう。矯正ならではの注意点でもあるので理解した上で、抜歯するかどうか決めていきましょう。
・保険適用外になる場合がある
・すぐに矯正ができない
それぞれ説明します。
保険適用外になる場合がある
矯正のために親知らずの抜歯をする場合、保険適用外になってしまう可能性も考えられます。ただし、親知らずに病変等がある場合は、保険適用内になる場合があります。
すぐに矯正ができない
抜歯をしたあとに、すぐに矯正はできません。抜歯をして歯茎の穴が塞がってきたのを確認したあとに、矯正の治療を進めていきます。
1週間前後の時間がかかるため、少し長引く可能性があります。抜歯後の状況によっては、矯正を始めるタイミングがもっと遅くなることもあります。
そもそも、抜歯の難易度が高いケースだと口腔外科など他院を受診しての治療が必要になります。希望通りに予約が取れるとは限らないので、長引く可能性も出てきます。
矯正前の親知らずの抜歯後のケアも重要!
矯正のために親知らずの抜歯をしたあと、ケアができているかどうかでも、そのあとの流れが変わってきます。
抜歯後の過ごし方やケアの注意点についてまとめてみましたので、参考にしてください。
・優しくブラッシングする
・軽くゆすぐ程度にしてうがいしすぎない
・2日~3日は飲酒を控える
・刺激物、熱いものや硬いものを避ける
・汗をかくほどの運動、筋トレは2日~3日は控える
抜歯後に血餅ができ、損傷部を回復していきます。気になって手や舌で触ってしまうと、治るのが遅くなってしまいます。抜歯後は、過度な飲酒や激しい運動は控えるようにしましょう。
痛みがあるからといって冷やし過ぎてしまうと、患部の血行が悪くなるためおすすめできません。痛みが強い時は、冷たいタオルなどを使い冷やし様子を見るようにします。
抜歯後、1日〜2日しても痛みが治らない、痛みが強くなるときは一度歯科医院にて様子をみてもらうようにしてください。
まとめ
歯の矯正を行う前に、親知らずの抜歯をして調整するのは珍しい話ではありません。
まっすぐ生えていない親知らずも多く、トラブルや十分なスペースが確保できないなどの問題もでてきます。
抜歯する親知らずの本数によっても変わってきますが、矯正のスケジュールや費用にも影響してくる部分です。
歯の矯正の前に親知らずの抜歯をするべきか、しっかりと相談した上で決めていきましょう。