歯周病予防で覚えておきたい!最適な歯磨きの基本とは?
スタッフブログ 2025.04.04
歯周病を予防するためには、正しい歯磨き習慣が欠かせません。歯周病は初期の段階ではほとんど症状がなく、サイレントディジーズとしても知られています。歯磨きを適切に行うことで、歯周病の原因となるプラークを適切に除去することにも繋がります。歯周病予防で覚えておきたい、正しい歯磨きの基本について、詳しく解説します。
歯周病の原因は歯垢(プラーク)にある
歯周病の原因となる歯垢(プラーク)は、歯と歯茎の境目に付着しています。プラークは生きた細菌の塊であり、歯とほぼ同じ乳白色をしているためわかりにくく、水に溶けにくい性質を持っています。歯の表面に付着するため、歯磨きだけで取り除くことはできません。細菌が歯肉に炎症を引き起こすと、歯を支えている骨を溶かしてしまいます。歯周病が進行すれば、歯を失うリスクに繋がってしまうことも考えられます。
また、歯周病は口の中だけの問題ではありません。歯周病菌は血管を通じて全身に影響を及ぼすことが、研究でも明らかになっています。全身の慢性炎症の一因になることや、糖尿病や、心血管疾患、早産の関連性も指摘されています。
歯磨きの役割とは
歯を磨くといいますが、歯磨きで歯垢を取り除くことが、歯磨きの基本となります。日々歯磨きをしているつもりでも、磨き残しがあり歯周病の原因となってしまいます。まずは歯周病の原因となる菌を増やさないことが大切です。
また、歯磨きは歯肉をマッサージする役割も果たしているため、血行を促進します。歯周病菌の抵抗力を高めてくれることでも知られています。正しい歯磨きを続けることが、健康な歯や歯茎を守ることに繋がります。
歯周病を予防する正しい歯磨きのポイント
歯周病を予防するためには、正しい歯磨きのポイントを意識する必要があります。正しい歯磨き方法がわからないときは、歯科医院にて歯磨き指導も行われています。歯周病を予防するためにはどんなポイントに気を付けたらいいのか、説明したいと思います。
・磨き残しが多い場所を意識して磨く
・薬用歯磨き粉を使用する
・歯ブラシ選びも重要になる
・力を入れすぎないようにして磨く
・歯磨きに最適な時間
・歯間ブラシやデンタルフロスも使う
・仕上げにマウスウォッシュを使う
それぞれ詳しく説明します。
磨き残しが多い場所を意識して磨く
日々、歯磨きをしているつもりでも汚れを残してしまいがちな部分もあります。
特に、歯ブラシが届きにくい歯と歯の間や、奥歯の溝や噛み合わせの部分、歯と歯茎の境目などは歯垢が溜まりやすくなるため注意が必要です。歯ブラシだけでは、隅々まで磨けないためフロスを使うことで隙間の汚れを効果的に除去できるようになります。
歯周ポケットまでしっかりと磨くには、歯と歯茎に歯ブラシを45度の角度で当てて小刻みにブラッシングをする「バス法」と呼ばれる磨き方があります。角度を意識しながらしっかりと磨くことで汚れを取り除けるようになります。
薬用歯磨き粉を使用する
歯周病向けの歯磨き粉のなかには「殺菌」「抗炎症」「組織履修」「血行促進」などの効果のある成分が含まれています。薬用歯磨き粉を使用することで、歯茎の炎症を改善できる可能性があります。毎日使うものだからこそ、歯磨き粉にもこだわりましょう。
歯ブラシ選びも重要になる
歯周病予防のためには、歯ブラシ選びも重要です。自分にあった歯ブラシを選ぶと、歯垢を効果的に除去できるようになります。歯ブラシ選びで重要になるのは「サイズ」と「硬さ」です。サイズは、ヘッド部分が大きすぎると奥歯や細かい部分に届きにくくなります。
小さすぎるヘッドは、効果的に磨けなくなってしまいます。また、硬さは柔らかすぎると歯垢を十分に落とせなくなってしまいますし、硬すぎるブラシは歯肉を傷つけてしまいます。使いやすい歯ブラシを選ぶうえで、ヘッドの大きさが人差し指の第一関節程度のもので「ふつう」の硬さのものを選ぶようにしましょう。
力を入れすぎないようにして磨く
歯磨きをするときに、つい力を入れすぎてしまう人も少なくありません。強い力で磨いてしまうと、歯や歯肉にダメージを与える原因となります。適切な歯ブラシの力加減は、歯ブラシの毛先が歯や歯肉に軽く触れる程度を意識する事です。歯ブラシを握るときは、ペンを持つように優しく握るようにすると力を入れすぎてしまう心配もなくなります。
細かく歯ブラシを揺らしながら、ブラシの先の部分を歯周ポケットに届くようなイメージで磨いてあげるのがポイントになります。
力を入れすぎて歯磨きすると、歯茎にダメージが蓄積し、かえって歯周病のリスクとなる可能性もあります。例えば、歯茎が下がる(歯肉退縮)だったり、歯茎が傷つき・炎症を起こすという状況です。
歯医者では、TBI「Tooth Brushing Instruction」と言って、専門的な歯磨き指導も行っていますので、そちらの利用もお勧めです。
歯ブラシは徐々に劣化していき毛先が広がります。劣化した歯ブラシを使っていても歯垢を効果的に除去できなくなってしまうので、2か月以内には交換するようにしましょう。
歯磨きに最適な時間を意識する
歯磨きにかける時間にはそれぞれ個人差があります。多くの人が短時間で歯磨きを終わらせてしまいますが、歯周病予防のためにも3分程度の時間をかけてブラッシングを行うようにしてください。
急いで歯を磨くと、磨き残しの原因となってしまうこともあります。特に、夜寝る前の時間帯は、歯磨きにかける時間を増やし丁寧に行うことが望ましいといわれています。短時間で済ませてしまいがちな人は、時間を測るようにするなど歯磨きにかける時間も意識するようにしてください。
口腔内で泡立ちが多すぎると磨くのが大変になり、結果歯磨き時間が短くなりがちです。歯磨きペーストをつける際に歯ブラシを濡らさない、または泡立ちの少ないペーストにすると良いでしょう。
歯間ブラシやデンタルフロスも使う
歯磨きだけでは落としきれない汚れは、歯間ブラシやフロスを積極的に使うようにしましょう。歯が密着している部分はデンタルフロスのほうが使いやすく、歯の間にある食べカスを効果的に取り除いてくれます。
歯間ブラシは歯と歯の間が広い場合に、隙間の汚れをしっかりと掻き出すのに向いています。歯間ブラシやデンタルフロスにもサイズや太さの違いがあるため、自分の歯間に適したものを選ぶようにしていきましょう。なかでも、セチルピリジニウム塩化物やクロルヘキシジン入りのマウスウォッシュは、歯周病の予防対策にもおすすめです。
仕上げにマウスウォッシュを使う
丁寧な歯磨きや歯間ブラシ、デンタルフロスで細かい歯垢を落としたあとは、マウスウォッシュで仕上げを行います。マウスウォッシュのなかには、細菌を減少させる成分が含まれており、歯垢の形成を抑えることにも繋がります。
歯磨きは毎食後に行うのが基本
歯磨きはできれば1日3回行うのが基本です。歯磨きのタイミングとしては毎食後に行うことを意識してください。忙しく毎回3分程度念入りに磨くのが難しい場合は、1日1回でもいいので寝る前の歯磨きをしっかりと行うようにしましょう。
寝てい折る間は唾液の分泌量が少なくなってしまうため、菌が繁殖しやすくなるといわれています。食べカスをそのままに寝てしまうと、細菌の巣窟になってしまうこともあります。歯周病はもちろん、虫歯のリスクを高めてしまう可能性があるのです。
できるだけ食後を意識しつつ、歯周病を予防するためにも歯磨きを行うようにしましょう。
まとめ
歯周病予防には、毎日の正しい歯磨きが大切です。健康な口腔環境を保つためにも、歯磨きのポイントを抑えつつ、磨き残しを減らしていきましょう。セルフケアで落としきれない歯垢は、歯科医院のクリーニングで除去することも可能です。歯周病を予防するためにも、対策をしっかりと行いましょう。