親知らずを抜く時間の目安
・上の親知らずの抜歯…1分~15分程度
・下の親知らずの抜歯…1分~15分程度
※治療内容によって時間がかかる場合がございます。
※治療内容によっては、大学病院をご紹介する場合がございます。
(下の親知らずの抜歯でアゴの神経(下歯槽神経)に近い場合に大学病院にご紹介させて頂いております)
親知らずのトラブルとその対策は?
問題なければそのままに。場合により抜歯することも
親知らず(智歯 ちし)とは、永久歯(上下で28本)が生え揃ったあとで一番奥に生える第3大臼歯のことです。
お口の中に親知らずの生えるスペースがないとき、その親知らずが原因で周囲の歯や歯肉が炎症を起こすことがあります。
炎症が悪化した場合は、お口全体の健康を守るために抜歯することがあります。
親知らずを抜歯したほうが良い場合
- 親知らずのところまで歯ブラシが届かず虫歯のある方
- 度々、炎症を起こして痛みのある方
- 妊娠を控えている方
親知らずを抜歯しないほうが良い場合
- 妊娠している、または授乳中の方
- まっすぐに生えていて、歯が健康な状態の方
親知らずを抜歯するとき
埋伏智歯(まいふくちし)
歯は支えがないと前や上に伸びようとします。歯肉に埋まった親知らずが、前方の第2大臼歯を圧迫すると歯列に影響して歯並びを悪くします。
また、第2大臼歯の根を溶かしたりします。
このような場合、炎症を未然に防ぐために抜歯することがあります。
智歯周囲炎(ちししゅういえん)
歯は、生えてくる途中は歯肉がかぶさっており、お手入れ不足でむし歯や歯肉に炎症を起こします。
親知らずの場合は、一番奥に生えるので磨きにくい上、周囲の組織は炎症が広がりやすい構造をしています。
そのため、感染が起きると頬やあごの腫れ・のどの痛み・筋肉の炎症・発熱といった激しい症状(智歯周辺炎)が起きます。こういうときは、抜歯して炎症を鎮めざるを得ません。
炎症が起きたら、軽く考えず早めに受診してください。
抜歯後の注意事項
抜歯は小手術です!術後の注意事項を守りください
- 噛んだガーゼは15~30分後に取り出して下さい。まだ出血する時は新しいガーゼを噛みなおして下さい。唾液に少し血が混じる程度なら心配いりません。
- 当日は、過度なうがいは避けて下さい。再度出血してくる原因となります。うがいする場合はぐちゅぐちゅ強くうがいするのではなく、水を口に含んで、ゆすぐ程度にしましょう。
- 抜歯したところは指や舌で触らないようにしましょう。
- 噛んだガーゼは15~30分後に取り出して下さい。まだ出血する時は新しいガーゼを噛みなおして下さい。唾液に少し血が混じる程度なら心配いりません。
- 当日は、過度な運動や飲酒、入浴は避けて下さい。血圧の上昇は出血や痛みの原因となります。入浴は湯船につかるのではなく、シャワーを浴びる程度で済ませましょう。
- 処方されたお薬は指示通りに服用して下さい。じんましん、その他異状があれば服用を中止しすぐにご連絡下さい。
- 歯磨きは、抜歯したところを避けて磨いて下さい。またその際に歯磨き粉をあまり付けない様にして下さい。歯磨き粉をつけ過ぎるとうがいを多くしなくてはいけなくなり、うがいの回数が増え、出血の原因となってしまいます。
親知らずを抜くと、歯肉や頬が大きく腫れることがありますが、1週間ほどすると落ち着いてくることがほとんどです。腫れがひどいときは、水で濡らしたタオルで頬を冷やすと楽になるので、試してみてください。ただし、氷などで過度に冷やすと逆効果なので、注意しましょう。
「ドライソケット」をご存じですか?
抜歯後に数日たっても痛みが続く場合は「ドライソケット」かもしれません。
「ドライソケット」とは、抜歯後血が十分に出なかったり、できかけの血の塊が取れてしまうなどして骨に直接刺激があたり、炎症をおこした状態を言います。
ドライソケットが起こる仕組み
私たちの体は外傷ができると出血します。その血が固まってかさぶたになり、患部を覆って治っていきます。抜歯の際も、抜歯した穴に血が溜まって「血餅(けっぺい)」というゼリー状の塊となり、外部からの刺激や細菌の侵入から露出した骨を守ります。やがて傷口の穴は自然にふさがって治ります。
出血が少なさすぎたり、できかけの血餅が取れてしまうと、刺激が骨に直接あたります。この刺激で抜歯したところが炎症を起こすと大変痛みます。この状態が「ドライソケット」です。2~5%の確率で起こる偶発症で、治るまで2~3週間かかります。
抜歯後、頻繁にうがいするのは「ドライソケット」になる原因の一つです。しばらくの間は、傷口はそっとしておきましょう。
抜歯後のお食事についての注意点
抜歯後は痛みや出血や疲れのために食欲が落ちてしまう方が多いです。胃腸の負担にならないように、抜歯当日は固形物よりも喉を通りやすい流動食がいいでしょう。
病気ではありませんが、体調があまり良くない時は消化のいいものを食することをおすすめします。たとえば、おかゆ、やわらかい麺類、ヨーグルト、スムージー、ゼリー飲料などがあります。
3日目以降はほぼ普段通りの食事ができますが、酸っぱいもの、辛いもの、刺激物などは避けてください。抜歯した歯と反対の歯で噛むようにしましょう。